人手不足からくる人間関係のこじれ
介護現場の人間関係
仕事全般において重要なことは、人間関係です。非常にストレスを感じやすい点でもあります。この人間関係のこじれから、離職に至ってしまう場合もあります。介護職の現場では、利用者との関係性のこじれが目立つ傾向にあります。
利用者と職員との関係性は、生活補助を行ってくれる家族のような存在であり、一度信頼を失うと回復までにかなりの時間を要することもあります。
業務上、やはり重要なのは職員同士の人間関係です。介護の仕事は、一般的に「きつい・給料が安い・汚い」などのマイナスイメージが強いです。業務内容が離職やトラブルの原因と言われる一方で、実際は人間関係のトラブルが離職原因として多いと言われています。介護職にやりがいを感じつつ、キャリアアップを目指すのであれば、職場の人間関係を良好に進めなければなりません。
人手不足が引き起こすこと
介護職の現場トラブルとして、職員間での人間関係のこじれが挙げられます。この人間関係のこじれの要因は、どこにあるのでしょうか。
介護労働実態について、平成26年度に介護労働安定センターが調査を行いました。その結果、介護職の悩み、不安、不満がわかってきました。最大の悩みは、人手の足りなさです。これが離職につながる理由でもあります。人間関係のトラブルは、人手が足りないことにも原因があるようです。
今の介護業界は、需要と供給バランスが釣り合わず、人手不足を招いています。人手が足りないということは、職員1人が受け持つ仕事量が多くなることとイコールです。日々、とにかく忙しく、なかなか新人の指導や管理まで手がまわらないのです。そのことによって、新人職員は先輩から学ぶ機会を失っていきます。忙しさから対応も素っ気ないものとなり、勘違いも生んでしまうでしょう。その結果、新人職員はまるでいじめにあっているような感覚を持ってしまうのです。この勘違いから、仕事にやりがいを失い離職へとつながってしまいます。
人手不足は、一緒の職場で働く介護職員の間にも亀裂を生みかねません。忙しさからコミュニケーションが不足してしまうことに原因があるのです。どうしても業務が優先となり、職員間のやり取りがおろそかになってしまいます。このような状況を打破していくために、政府も動きだしています。介護施設の職場環境の改善を進めていこうとする動きはあるものの、人材確保になかなか直結していないのが現状です。
女性の多い職場
介護の職場は、多くの女性が活躍しています。新人職員の離職が多いと言っても、若い年代の職員がいないわけではありません。どちらかと言えば、幅広い年齢層の方が働いている職種です。そのなかで、女性特有とも言える個々のグループができあがりやすいのです。職員のなかでいくつかのグループができあがると、そのグループ同士のトラブルも起こります。同じ職場において、業務に支障がでない場合は良いのですが、グループの結束力が強ければ強いほど、グループの対立が現場に影響を及ぼすことがあるのです。
介護職は資格を重要視する環境にあります。資格保有者が後輩となった場合はとても気を遣うことになるのです。他にも、資格はないけれど経験豊富なパートの方などは、上から目線で対応されるという現状があります。男性職員などは、女性特有の空気感に馴染めないという方もいらっしゃるのです。