利用者との関わり方を振り返ろう

利用者との関わり方を考える

介護の仕事を続けていくためには、耐えられない環境やトラブルが起こった際、しっかりとその場で対処をしなければなりません。特に最近問題となっている、利用者からの暴力や暴言トラブル。職員が暴力や暴言を受けている場合には、施設全体で対応策を取らなければなりません。
まず、コミュニケーションの取り方や、体に接触する際の配慮の仕方、態度も威圧的になっていないかをチェックします。その際、職員側がトラブルを引き起こす原因を作っていないか、見直してみましょう。周囲の職員からの客観的な意見を聞いて、改善点を発見します。改善策を検討し、すぐに実行して、問題解決の糸口を見つけましょう。
さらに気を付けたいことは、周囲に相談せずに悩むことです。トラブルが起こった時点で判断が付かない場合は、周囲に助けを求めましょう。さらに、利用者本人と距離をとることが重要です。我慢したままでは、周囲も気が付かない場合もあるため、時には逃げることも必要な手段です。

利用者との関わり方を考える

認知症の場合の対処法

少し見方を変えて、利用者の体調に目を向けてみましょう。認知症の場合は体調不良を職員に伝えられずに、ストレスからトラブルにつながることがあります。様子をうかがった上で、医療機関へ相談しましょう。また、個人で対応できないこともあるため、上司に報告して判断を任せましょう。利用者からの理不尽な態度や要求は、自分では判断が付かないこともあり、悩んでしまいがちです。施設で対応策を取ってもらえる場合もあります。しかし、施設内でも対処できないレベルになった場合は、外部の専門機関に依頼することになるため、すぐに相談しましょう。
暴言よりも酷い暴力トラブルは、制御できない事態になりかねないので、注意しなければなりません。怪我をした後では遅いのです。トラブルの原因が、精神的なことならば対処が必要です。専門機関に対応を任せてください。実際には、大半の方は常に暴力を振るうのではなく、一時的な行動により暴力が起きてしまいます。日常の観察を続けて、暴力の前兆を見つけていきます。暴力の原因や前兆が見つかれば対処もできますが、難しい場合は、今以上に酷くならないように予防策を講じるしかないのが実状です。

これからの介護

介護業界の人手不足も懸念されますが、介護職にやりがいを持ち、前向きに取り組む職員も多くいます。トラブルが起きた時は、周囲に判断を任せることも負担の軽減につながります。そして、重要なことは、施設経営者が職員を守る努力をすることです。また、認知症を患っている利用者の対応に困った際は、その場でどのような対応策を取ることが良いのかを知ることです。そのアドバイスをくれるおすすめ書籍が「認知症なんでも相談室―認知症の人への対応がよくわかるQ&Aブック」です。ぜひ参考にしてみてください。

認知症の問題が身近に迫った時に役立つ本です。認知症への理解が深まり、ケース別の対応がわかる1冊です。